サイキック青年団突然死

 大阪のラジオ番組「誠のサイキック青年団」が突然終了したそうだ。昨晩、いつもの放送時間に周波数を合わせてみたところ、「諸般の事情で、先週の放送をもちまして終了とさせていただきました」と機械的なアナウンスが流れるのみだったという。リスナー及び「放送内容にご意見をいただきました関係各方面」へのおわびとともに。
 ありえない。レギュラーのラジオ番組を何の事前通告もなしに「放送しない」「先週でおしまい。もうやらない」なんて。深夜1時すぎ開始で、この番組が1日の最後のプログラムだから、それほど不自然な形にはならなかったのかもしれないが、それにしても延々とイージーリスニングのBGM、そして時折「諸般の事情により先週で終了しました」のアナウンスとは…怖すぎる。しかもこの「サイキック青年団」は、21年も続いてきた長寿番組だったのだ。
 そもそもなんで"東京"馬馬虎虎日記が大阪のローカルラジオを取り上げる?って話だが、この番組好きだったのだ。昔、大阪にいたころ。92年から5年間、住んでいたあいだは深夜にもかかわらず毎週欠かさず聴いていた。ああ、終わって初めて「サイキッカー」をカムアウトするなんてなあ。ずるい話だよな。ごめんなさい。でも大阪を出てからはパッタリと興味がなくなったのも事実。AM放送だからどこへ引っ越そうと雑音まじりで聴取可能だったのだが、なんとなく「大阪離れてまで聴くもんじゃないよな」と思っていた。
 北野誠竹内義和(と、ディレクターの板井さん)が、他メディアでは言えない書けない有名人の暴露話や、社会の暗部に切り込む「ゲスい内容」(自称)で、誰がヅラで誰がモーホーで誰がズーレーで誰が変態か、そんな話ばっかり延々としていた記憶がある。今も忘れられないが清純・透明感を絵に描いたような某女優さんのとんでもない嗜癖をバラしたり。そのヒトは長い間某食料品のCMやってるけど、見てるとその食料品がなにか別のものに見えてきて困った(笑
 が、「社会には闇があるんだよ」ということをきちんと教えてくれた番組でもあった。世間に流布するずっと前に「ストーカー」という言葉を知ったのもこの番組。ああ、自分のされてたことにはこういう名前があるんだ、と。闇の部分を巧妙に押し隠して、光の中だけでふわふわと生きているような連中にはことさら手厳しかった。このWEB日記の毒舌のルーツはおそらく、ここにある。
 インターネットの普及により社会的な役目を終えたと思っていた。雑誌「噂の真相」とともに。ただ、ネットは塵が星雲をつくるように、バラバラの情報が吹きだまった「集合知」だからね。系統だてて、誰かが責任もって送り出す情報が滅びてしまうのはなんだかな、とは思っていた。が、サイキックはしぶとく生き残ってたみたいだね。某巨大「便所の落書き掲示板とは仲がよろしくなさげにみえたけど。と、思っていたら突然死かよ。もともと3月29日で終わることは決まっていたんだって。でも、あと数回の放送予定を残して突然消えるって、とんでもない話だよな。
 私は聴かなくなったけど、これだけ続いたということは根強いファンがいたんだろうな。その番組を突然なくすのは、例えばなじみの暖簾を求めて路地に入ってみたら、いきなりブルドーザーで更地にされて路地ごと消えうせていたようなものだ。中国だとそんな話はよくあるけど(苦笑)、ここは日本。まだまだ理屈がまかり通る国ニッポンだ。どこかのメディアでぜひ徹底的に真相をあばいてもらいたい。暴いておやりよドルバッキー!だ。