せこいケチケチママ

http://dailynews.sina.com/bg/news/usa/uslocal/chinapress/20091118/0218882116.html

雲子o阿雲子好可愛! (雲子かわいいよ雲子)
泡泡雪白好可愛的雲子!(フワフワ白くてかわいいよ雲子!)
得了母熊一字好開心!(お母さんの名前を一字もらって嬉しいね!)
祝小雲子健康成長!(すくすく育てよ!雲子ちゃん)



 小学生レベルの糞ブログにようこそ!呆れないでお付き合い願います。

 さて、2ちゃんねるのスレッドで面白いからずっと読んでいるのが、育児板の長寿スレ「発見!せこいケチケチママ」。現行スレはこちらですヨ。
 育児板って、旦那も子供もいないのになんでそんな板に出入りするんだ?という話だが、これがコワ面白いのよ。きっかけはハンドクラフト板でこれまた長寿スレとして続く「格安でお洋服作れだと?」。編み物が板範囲なので時々覗くハンドクラフト板。基本マターリほのぼの、レシピ載ってるサイト貼ったりちょっとしたコツを教えあったり道具や材料の使い心地を語り合ったりただ雑談したり、そんな板なのだがひとつだけ常に殺伐としているスレがある。それがここ「格安でお洋服作れだと?」。
 市販の服や小物を買う代金や、お教室で習う月謝を端折りたいがために、縫い物・編み物などができる者に「布だけ渡すから縫ってクレクレ」「格安の工賃で作ってクレクレ」「技術を教えてクレクレ」と強請る、困った人々をさらすスレだ。断ると人間関係にヒビが入ったり、ひどい場合は嫌がらせされたり。が、レス読んでいると「それはスレ違い。こっちに誘導」と別スレ貼られることがしばしばあってな。誘導先がこれ、もっと広汎にクレクレさんをさらす場。育児板ですでに200スレ以上をかぞえる「発見!せこいケチケチママ」である。
 節約の度が過ぎた主婦が、たとえば持ち回りのお誕生会や持ち寄りパーティーの料理提供を自分だけバックレたり、悪知恵働かせてよその奥さんを子守り人足や運転手代わりに使ったり、近所におすそわけをしていたら「私の分はないの?」と寄ってきたり、まあそういうセコい連中の被害にあったエピソードを披露するスレだ。度を越えたおねだりネタも多し。断ると執拗にカラまれたり、PTAや町内会、親戚、ママ友といったネットワークを駆使して嫌がらせされたり。
 理不尽だと思うが、こじれて裁判沙汰にまでなるケースも少なくない。怖えー!!自分が主婦でもママでもないから、高みの見物で面白がってるんだけど、ときどき背筋がゾーッとするようなヤバいケースも見かける。主婦なんてなるもんじゃないわー、少なくとも私にはぜってー向かねぇー、と心から思う。
 ところが。ここ最近、スレに上がるセコケチ・エピソードが変わってきた。
 現行スレ、そのひとつ前ぐらいからか。「缶ビール6本パックを5つ買って袋詰めしようとしたら、『そんなに買って持ちきれないでしょう?1つもらってあげるわ』と見知らぬ主婦が手を伸ばしてきて奪い取ろうとした」「パートの昼休み、『銀行にお金出しに行かなきゃ』と話したところ、同僚が『私が代わりに行ってあげるわよ。カード貸して!』と言って財布に手を伸ばし、むりやりキャッシュカードを取ろうとした」「お米をいつもより多めに3合炊こうと、炊飯器のお釜の中にザーッと入れたら、その音を聞きつけた近所の奥さんが『そんなにたくさん炊くなら、私にお米ちょうだい!炊けたのでいいからちょうだい!』と訪ねてきた。断わってドアを閉めたら、外から壁をガンガン蹴飛ばされた」…。こんなのばっかりだ。断わっておくが「せこいケチケチママ」のスレである。電波・お花畑ではない。
 単なる粗暴犯じゃん!ここは法治国家ではなかったのか?このスレはあまりにコワ面白い、よくできたエピソードが並ぶので、しばしば実話かフィクションかで論争になる。(匿名掲示板の宿命だ。)しかしホントでも嘘でもこのさい関係ない!こんな粗暴なことを考えつく奴がゴロゴロいるというのが恐ろしいのである。
 最近マジで殺伐としてるよなあ…。いくら日本は貧しくなったからって、ここまで荒廃の度合が進むのってどうなんだろうなあ。そういえば朝夕の通勤電車の中でも最近「殺伐としてるなあ…」と思う出来事が増えたよ。まあ、私もかなり品のないことをしているかもしれないけど、それにしてもヘタなことできないなあ、刺激しないようになるべく自重しよー、というピリピリしたムードが漂っている。
 しかしこんな粗暴犯は論外として、世の中には「無料でクレクレ」「格安でやってクレクレ」というセコケチさんが少なくないってことだよな、スレが237も継続するってことは。きっとますます増えるんじゃないか。コーヒー無料サービスだの、690円ジーンズだのが横行して、モノや手間に支払われる対価がきわめて軽んじられているもん。行きすぎたデフレってのもイヤなもんだね。
 しかしさ。クレクレばかり言っているセコケチさんは、人生ぜったい損してると思う。ものは「もらう」より「あげる」ほうがずっと楽しいのに!
 こういう人は全員、金庸の「射雕英雄伝」を読むべきだ。長い小説だけど、私がいちばん好きなシーンは、ボロボロの乞食少年のなりをした黄蓉に、主人公・郭靖が稀代の快速馬『汗血馬』をポーンとあげちゃうところ。「えっ!やるんかい!」金庸の読者は世界に12億人といわれるが、12億読者が全員ツッコむといわれるこのシーン。現代にたとえりゃチューンナップしまくったフェラーリをポーンとあげちゃうようなものだ。しかも、理由も見返りも特に、ない。発表された当時はあまりの不条理さに、読者の中国人一同さぞやノケゾったことだろう。
 郭靖はその後かずかずの武術を修めて活躍するものの、それやこれやのエピソードで読者からは少々「アホの子」扱いされている。が、「アホの子萌え」というジャンルが確立するはるか前からずっと、郭靖はかっこいい。まごうかたなきヒーローである。郭靖気分を味わいたいじゃん?
 や、別に郭靖を知らなくとも、気前よく人に何かあげたり、おごったりするのって気持ちいいよな。スカッとする。20代の頃、飲みに行くとオジさんたちが気前よくおごってくれた。いつも必ず年長の人のおごりだった。「こんなに飲み食いさせてもらっていいんだろうか?」「悪いことしてるんじゃないか?」戸惑ったり罪悪感を感じたりしたものだ。つくづく、若かったなあと思う。
 「そんなにおごったりあげたりするのが気持ちいいなら、私に何かちょうだい!ごちそうしてちょうだい!」という人が来るかもしれませんね。いや、冗談抜きで。



絶 対 断 る



 人に命令されたり強請られたりするのはだいっ嫌いなの!!あまのじゃくだから。「えっ!くれるの?ほんとに?」そのびっくり顔を見るのも快感のうちなんじゃないかぁっ。