世界一周!六本木昼餉(7) ロシア

六本木で、ランチだけで世界一周は可能か?



 今週はロシア。モスクワではテロによる痛ましい事件も発生したが、それでロシア料理賞味を思いつくような鬼畜冷血ではさすがに、ない。私は。
 作家の角田光代サンのツイッターが面白いのだ。只今ユーラシア大陸を鉄道横断旅行中で、その模様を逐一ツイートしている。(アドレスは自分で探しな。)ロシアのウラジオストック起点にパリを目指すんだと。すでにロシア領を抜けてエストニアラトビアに入るところらしいが、車窓は「何時間もバイカル湖」とか、らしい。白く凍った湖の写真がUPされている。いいなあ…行ってみたいなあ、凍土の湖。バイカル湖かあ、いいなあ、いいなあ…って、あるがな!六本木に!その名も「バイカル」。ロシア料理店。よおし今週はここを攻略だ!外苑東通り沿い、東京ミッドタウンの南の並び、キリルじゅうたん屋の隣のビル3階にある。
 店内は山小屋風。お約束のマトリョーシカほか、民芸品が壁の棚に並ぶ。そしておびただしいウオッカの空き瓶も。これだけ空けるのにいったい何年の年月がかかるのやら。
 店中央奥には大きな液晶モニターがあって、地元のテレビドラマらしきものを放映している。軍人や警察や裁判がダラダラと出てくる、みるからにつまらなさそうなドラマ。(セリフも字幕も一言もわからないけど!)なんか20年前に中国を旅行してたとき、ホテルのテレビでこんなドラマよくやってたな。ちがうのは日本鬼子が出てこないぐらいか。あいまにCMがはさまる。これまたつまんないCMだけど、出てくるロシア人のお姉さんはみんな美人だな。
 で、給仕のマダムもショートカットの美人だがちょっとつんけんしててコワイ。ランチセットは4種類で千円均一。ハンバーグ、地元風チャーハン、つぼ焼き、ロシア風水餃子からメインが選べるよ。で、私はロシア風水餃子「ペリメニ」をメインに選ぶ。サラダ、ボルシチ、パンorピロシキ、飲み物がついている。ピロシキにする。
 出てきたピロシキは焼きたてホッカホカ!揚げパン生地じゃないよ、ふつーの焼きパン生地だ。いろいろあるのかね?蛋撻にパイ生地とタルト生地があるように。なかには煮くたしたキャベツや人参など、素朴な薄味の野菜餡が。うう…出来たて、うめえ!さらにロシア風シチュー・ボルシチが登場。赤っぽいおつゆに白いクリームをたらし、マゼマゼするとピンク色。これまた野菜たっぷり、牛肉も角切りこまぎれが少々。プンと香るスパイス。えっ?辛いのこれ?と思ったらぜんぜん辛味はない。香草とスパイスをガンガン効かせて、素朴な野菜煮を非常に香り高く仕上げている。こりゃ、うめえ!!
 で、満を持してやってきたメイン料理・ペリメニ。これが……
 中国の水餃子とまったく同じだった(笑)。サワークリームがかかっている。違いは、それだけ。私は水餃子はやっぱり酢醤油で食べたい。これには少々、ズッコケた。
 でも考えてみればハルピンや吉林と地続きだもんな。あのへん、食べ物って水餃子しかないじゃん(←それは言いすぎ!)。国境なんていま便宜的に引かれているものに過ぎないし、チンギス・ハーンを例に出すまでもなく、あのあたりをいっしょくたに支配していた為政者なんて歴史上いくらでもいるわけで。同じもの食っててもなんの不思議もないってことだ。それにしても水餃子はやっぱり酢醤油で食べたい。
 と、まあ、メイン料理でちっとミソをつけ減点したが、手抜きのないあったかーいお料理は素晴らしい。質実そのもの、客も地味ーな感じのピープルが集うが、なかなかいいんじゃない?でもこんなお料理はどうやら本国では大ごちそうの部類に入るらしいぞ。角田サンのツイッターによれば、ね!!



本日の評価 ☆☆☆☆
 

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