世界一周!六本木昼餉(8) ベトナム

六本木で、ランチだけで世界一周は可能か?



 今週はちょっと早い更新でベトナム。おしゃれな旅行先として脚光をあびるアジアの新興国だが、ある年代以上の人にとってはベ平連なんでしょ?ところでベ平連ってなーに?ヴァン・ヘイレンとなんか関係あるの?
 そんなことはさておき香港でも当たり前に食えるベトナム料理。あたしゃ週末からまた香港出張なのですがね。道中ぜったい一度は河粉(フォー)を食べそうな気がする。にもかかわらず今週ベトナム料理を選んだのは、昨日からおなかの調子が変でさ。急性腹症?パフィー大塚愛と同じく?よくわからないけどあっさりしたものにしたほうがいいかなと。このへんの各国料理店でいちばんあっさりしているといえばまあ、ベトナム料理でしてな。おしゃれなベトナム料理店「CYCLO」へゴー。六本木ヒルズの程近く、246の青山ブックセンターの裏あたりにある集合商業施設「Piramide」。1階フロア奥をがっつり占めるのが、このお店。

 はじめて中に入るよピラミデ。敷居もおねだんも高そうなブティックやレストランが並ぶ。わぁーパティオがあるんだ、おしゃれだなあ!ハイセンスなビルだなあ!まるで六本木みたいー!ってここ六本木だしー!…六本木ってさ。ヒルズとミッドタウンのほかに意外と無いんだよな、モダンで憩える商業施設が。代官山や表参道にはあるのにな。これでどうして海外や地方から観光客が来るのかわからん。
 で「CYCLO」はものすごーく広かった。吹き抜けの四角いビルの二辺を占拠し、しかも中庭にまでテーブルが出ている。でも寒い雨の日、外で食事する者はおらず、私も暗めの店内に通される。壁沿いにポツポツ客がいる程度。12:30まわると少し混み始めたが。(ヒルズの昼餉時は12時半が標準らしい。)内装はふつうの高級レストラン。ベトナムの風景写真がモノクロでいくつか飾られるだけで、あとは装飾の少ない落ち着いた雰囲気。
 ごはんものなどいくつかのメインが選べるセット、¥1,000均一。生春巻と揚げ春巻1本ずつ、セルフサービスのスープ、春雨サラダ、ポットのジャスミンティーがつきますよ。そういうわけで私はフォーを選ぶ。米でできた、ツルンとした半透明の平打ち麺で、温かいつゆそばとしていただく。香港ではふつうの麺食堂が「おこのみで麺の種類を選べますよ」と、バリエーションのひとつとしてフォー=河粉を出しており、私もしばしば「河粉でねー」と頼む。香港のはまさに「きしめん」状の幅広さ(しかも幅がまちまち)だが、それよりは細うございました。CYCLOのフォー。で、お味のほうは…
 おおお香港と同じ味だ…
 「おおお本場と同じ味だ」と言いたいところだが、ベトナム行ったことがないんでね。でも香菜とニョクマムを惜しみなく使い、日本風への妥協を諒とせぬ潔い姿勢がありました。考えてみたら私、こんなマトモなレストランでフォー食べるのはじめてだわ。香港ではきったない安食堂専門だし、日本では夏フェスやコミケで出てるアジア屋台での買い食いぐらいしか。しかしどこよりも香港らしい風味があった。
 付け合わせの春巻、揚げたほうにはエビ、ナマのほうはほぼ野菜しか巻いてない。しかも両者かなり小ぶり。春雨サラダはニョクマムの味わいたっぷりだがほぼ春雨しか入っていない。スープはなぜかごく一般的なコーンスープ(給食で出るやつっぽい)。フォーの具はチキンと少しの野菜。つゆはほとんどあぶらけがなく、味わいはあるもののものすごーくあっさり。要するに何が言いたいかというと、
 激烈ダイエットメニュー
 もー、ヘルシーの鬼、魁!ローカロリー塾!というラインナップ。今日はそういうわけでおなかの調子が悪かったので、非常に体調に優しいメニューと相成ったわけだが、ふだん食べたら物足りなくてかなわんだろうな。まあ、そういう向きのためには「角煮のせごはん」みたいなコッテリしたセットメニューもあるのでいいのではないか、という気もするが。
 それにしてもこれは香港本場の味だわー。ベトナム本場の味かどうかは、かえすがえすもベトナム未踏なので知らんが。今後香港料理専門店も攻略する予定だが、香港料理を標榜しながらあの「大家食」の味が出せるかははなはだアヤシいもの。それよりもここに来て河粉食べたほうがよっぽど香港気分、かもよ!



本日の評価 ☆☆☆☆

ベトナミーズ・シクロ 六本木

食べログ ベトナミーズ・シクロ 六本木