世界一周!六本木昼餉(19) メキシコ

六本木で、ランチだけで世界一周は可能か?


 一週飛んでスマンカッタのう。腰はもうだいぶいいよ。というわけでリベンジの今週はメキシコ。
 メキシコってもなあ…ソンブレロと、エルロイ大おばさまの「キャンディをメキシコにやります!」というキメぜりふ、ひいぃぃっと顔をひきつらせるキャンディ、ぐらいのイメージしかござらぬ。なんとまあ貧困なイメージ。でも実はアメリカ・テキサス州のすぐ近くにあるんだって。テキサスはカリフォルニア・フロリダに次ぐ柑橘栽培のメッカだから、昼の会社でずっとお世話になっているんだよ。ただ困ったことに最近ハリケーンの来襲がめっちゃ多いの。いまもメキシコ&テキサス州に進路をとるハリケーン「Alex」っていうのがいて、地元の人はヤキモキしているよ。まだ柑橘の実がふくらむ時期には少し早いんだけど(8月末ぐらいから大きくなる)、小さい実のうちに全部落ちちゃうのもイヤだよねえ。被害が最小限であることを祈りつつ、六本木のメキシコ料理店「LA FIESTA」へいってみよう。
 外苑東通り、ロアビルの南っかわの交差点。通りを渡ると「メキシカンランチ¥800」の水色の立て看板がいつも出ているよ。導かれるままに、雑居ビル2階のお店へ。民族絵画ふうの絵がいちめんに描かれた木の扉。中はお客さん誰もいない…。静かで薄暗い店内。やっぱり一面に壁画が。窓があるのだがカーテン代わりに国旗が垂らしてあって、赤い色の部分を透して陽光が入るから店全体が赤っぽいや。窓際がテーブルの並ぶレストランスペース、奥にバーカウンターがあってバドワイザーのネオンが光ってる。六本木のご多分に漏れず飲み屋メインなのね。
 ランチセットはタコスやブリトーなど5〜6種類のお料理から選べて、ほかに日替わりランチで煮込み料理なんかもあった。飲み物つきで800円均一。あともうちょっとボリュームがあって豪華な¥1,000のセットもあるみたいよ。でもメキシコといえば…タコスだよねー。てなわけでタコスセット。ガワをパリパリしたのと柔らかいのとから選べるよ。パリパリを選ぶ。
 半円形のパリパリタコスがお皿にふたつ。赤いライスとサラダも添えてあるよ。タコスの具はチキンのほぐし身、お野菜、スライスオニオン、それに削ったチーズも。サルサソースと、それからクリームチーズとアボカドうらごしのディップが添えられているよ。まずはアボカドをつけて、サルサもちょっとつけてガブッといってみよう。
  う・・・・・・・うまぁぁぁぁーーーーーーーーい!!!!
 これはうまいわ。どこかよその国で食べた味がする。確実に「ここではないどこか」の味だ。とうもろこしのタコスと、ハーブの効いたサルサとアボカドとお野菜、これらが渾然一体となるときに、確実に日本じゃないどこかの風が吹いた。こんなお店を待っていた!この異国行脚。
 …って要するにあたしがポテチだのなんだのスナック菓子大好きなジャンク舌だからこんなもんを旨がるんだろう、ってか。まあそうかもしれない(笑)。でもアボカドのディップは粗ごしで食べごたえがあるし、クリームチーズのほうも変な臭みや甘さ辛さがなくて素直にうまい。サルサソースはあんまり辛くないよ。ライスやサラダにたらしてもあまりうまくないけど、タコスの野生的なとうもろこしの風味やパサっとした鶏肉と一緒になるとすごくいい。
 店内にはメキシコの流行ポップスが響き(いかにも歌謡曲風なのにアレンジだけジュリアナ東京ふうの安っぽーいダンスナンバーとか…どこの国も似たようなもんだなあ!)、天井には無骨なつくりながら真鍮のシャンデリアがある。六本木でデートする若い坊ちゃん嬢ちゃんも、せっかくのデートならサイ○リヤなんか行かずにこういうところに来ればいいのに。非日常的で楽しいし、うまいしさあ。サイ○リヤだってひとりあたま600円ちょっとの予算はかかるだろ?ほんの200円足すだけでこんなに楽しめるんだから、こーゆーとこ行きな!!修学旅行生だって異文化理解と六本木の地場産業学習のために、こういうところでごはん食べればいいんだよ。どうせ私たちのころみたいに東京タワーのふもとの団体様用食堂の大広間で一斉にオリヅメ食うんじゃないんでしょ?中途半端な班行動で六本木に行かせるなら、いかついメキシコ人のウェイターさんと国際交流を楽しむのもいいんじゃない?あ、そっか。ここ基本仕様が飲み屋だった(笑)


今週の評価 ☆☆☆☆半

アメンロラ フィエスタ

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