世界一周!六本木昼餉(1) トルコ

 外人の集まる街、六本木。通りを歩いてもレストランで飯を食っても、隣にめったに日本人がいない街、六本木。最近殊更パッとしないこの地ではあるが、世界各国の料理店だけはわりと充実していることに気づいた。全部まわれば世界中を網羅するのも可能なんじゃないか?
  六本木で、ランチだけで世界一周は可能か?
 というわけで週一ペースでこの壮大な実験にトライしてみることにした。化調舌のゴム舌、アンチグルメで味おんちのSongが。まあ、将来日本が滅亡するとか迫害されるとかで、どっかよその国に亡命する羽目になったとき、どこの国に追いやられても困らないように今から訓練もかねて、な。
 第一回目はトルコ。老舗だというトルコ料理専門店「アナトリア」。六本木交差点からドンキ方面へちこっと下がった路面沿い、1Fにある。
 ドネルケバブの「Aランチ」¥1,000。デカい肉をあぶり焼きにして削ぐ、あの料理だ。大きなお皿に削いだ焼き肉がどーんと山盛り。しかもライス添え。付け合わせにサラダ、スープ、「ピタ」とよばれる小麦粉製の主食。ナンをもう少し分厚くしたような感じだ。それと飲み物、ホットコーヒーorチャイ。あたしはホットコーヒーで。見た目すげーボリューム。
 料理出てくるの早えっ。肉は香ばしい皮の部分もふんだんに盛られてぜいたくだ、が…日本人には、肉はやっぱり吉牛だな(笑)。油っこい。ただ、皿に添えられたニンニク入りの辛いペースト。これをつけて食べると抜群にうまいな。日本人むけによく吟味されたタレである。
 スープは濃いトマト味で、とろけかけのチーズが少し入っている。これうまい。チーズがまろやかで。反してピタにまったく味がない…ありゃーなにこれ。しばらくはスープに浸したりして食っていた。その割に肉やサラダのドレッシングは妙に塩辛いしな。どうなのかねこれ、と思っていたら…あとからやってきた外人さんのビジネスマン数人連れ。りっぱなおひげを蓄え、地元トルコの人か近郷の人ふうだ。彼らはピタをまん中から裂いて空洞をつくり、同じAランチの皿の上のものを全部詰め込みはじめた。自分でピタサンドをつくってる。真似してみた。…うまい。包むことで味がマゼマゼされて、実にちょうどよくなった(笑)。だったら最初からピタに色々詰め込んで供すればいいじゃん、という気もするが…そういうもんでもないんだろうな。ともあれここの食い物はピタに全部詰め込め!これ本日の教訓〜。
 食後のコーヒーはめちゃめちゃ濃くて熱かったが、ちゃんとメインのお料理に味を合わせてあるんだね、互いを引き立てあってうまかった。さすが老舗。店内にはみごとなブルータイルや特産のじゅうたんが飾られ、風景写真や地図、テーブルには「トルコ語を話してみましょう!」という紙が貼られ、昔ながらの外国料理専門店だ。地元出身らしき金髪のおねーさんが給仕しているよ。毎日だとくどくて空きそうだけど、たまには行ってみるのもよいのではないでしょうか。のびーるアイス・ドンドルマもあるらしいよ。


本日の評価 ☆☆☆半

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